JAMES BALDWIN 




 人種差別をテーマにした作品を数多く残したアメリカの黒人作家。
 1924年にニューヨークのハーレムで生まれた作者は、劣悪な環境で貧しい少年時代を過ごす。少年時代から熱心な読書家だった作者は、高校を卒業すると同時に創作活動に入る。1948年から南フランスに移住し、1953年に自伝的小説である処女作 "Tell It on the Mountain" を発表する。その後は小説だけでなくエッセイや戯曲なども発表し、人種差別という分野での第一人者となる。それと同時に、同性愛者に関する作品も発表し、自らもゲイであることを公表する。その後もアメリカ社会におけるマイノリティへの迫害をテーマにした作品を書き続け、1987年にフランスで胃ガンにより亡くなる。
 作者の書く文章は決して易しいとはいえず、作品のテーマが重いこともあり、気軽に読むというわけにはいかない。それなりの準備と覚悟を持って臨むべし。




BLUES FOR MISTER CHARLIE  08/01/19 更新

 読み易さ 
 面白さ   

物語の舞台は、人種差別が色濃く残る閉鎖的なアメリカ南部の街。黒人牧師の息子リチャードがニューヨークから帰ってくるが、都会の自由さを体験したリチャードは、その言動により静かな街に波紋を巻き起こす。そんなリチャードが衝突したのは、黒人男性を殺害した過去のある白人男性のライル。ライルがチャーリーを呼び出したその翌日、チャーリーは死体となって発見される。やがてライルを被告とした裁判が始まり、白人側と黒人側が感情的に対立する。

 この作品は戯曲形式で書かれているため、ほとんどが会話による描写になっている。なので、難しいながらもそれなりに読むことができた。
 こういう人種問題は、理屈などでは解決できないのだろうと思う。お互いに歩み寄るというその一歩が、感情的なものによってなかなか踏み出せない。そうこうするうちに感情的な対立はどんどんと高まり、後戻りできないところまで来てしまう。その原因はどこにあるのかと考えると、もちろん黒人の側にもなんらかの問題はあるのだろうが、白人側の白人至上主義とでもいうべき偏狭な思想が一番大きな原因だろう。
 肌の色が違うだけで他人を差別するのはどうかと思うが、そういう偏狭さが人間の人間たるゆえんなのだろう。この世に複数の人種が存在する限り、人種差別の問題は絶対になくならない。



THE FIRE NEXT TIME  07/08/04 更新

 読み易さ 
 面白さ   

黒人である作者自身の経験を基に、アメリカにおける人種差別の現状を批判する作品。

 なんだか難しくて、よく理解できなかった。難しいことを難しく書くのは誰にでもできること。難しいことをいかにわかりやすく書くかが作家としての腕のみせどころだと思うんだけど、この作者の場合はそうでもないらしい。こんなに小難しいことを書いていたら、白人の知識層には理解してもらえるかも知れないけど、黒人の貧民層にはまったく理解してもらえないだろう。なんだか思い切り逆効果な気がする。
 などと書いてはみたものの、結局は自分の読解力のなさが悪いわけで、文句を言っているヒマがあったらもっと勉強しろってことだな。


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