RICHARD BACH 



 「かもめのジョナサン」で有名なアメリカの作家。
 1936年にイリノイ州で生まれた作者は、カリフォルニア州立大学に通うかたわら、飛行機の操縦を習い始める。これがきっかけで、大学卒業後はアメリカ空軍のパイロットとして勤務する。退官後はパイロットのインストラクターを務める一方で作家としての活動も始め、1970年に出版された"Jonathan Livingston Seagull"(邦題: カモメのジョナサン)がベストセラーとなる。それ以後も哲学的な作品をいくつか発表し、作家としてよりもむしろ哲学者としての趣きさえ感じさせる。
 
作者の書く作品の特徴を一言で言えば、寓話の体裁をとった哲学書ということ。作者の世界に共感できる人にとってはバイブルにさえなるかもしれないが、そうでない人にとってはまったくつまらない作品になる可能性あり。



ILLUSIONS  06/11/04 更新

 読み易さ 
 面白さ   

主人公のリチャードは、自家用飛行機に3ドルで客を乗せて空の散歩を提供しながら生計を立てていた。そんなある日、同じ商売をするドナルドという男と知り合う。目の前で数々の奇跡を見せられたリチャードは、ドナルドがメシアであることを知る。2人で旅を続けながら、リチャードはドナルドからメシアになるためのレッスンを受ける。「この世の出来事はすべて幻想にすぎない。自分でそうなりたいと願えば、すべてのことはかなう」というドナルドの教えに従い、自分自身も数々の奇跡を経験し、リチャードもまたメシアへの道を歩んでゆく。

 もう完全に「あっちの世界」に行ってしまった感じの作品。これはもう、小説として読むのではなく、哲学書として読むべき作品だと思う。しかし、哲学書として読んだとしても、まったくついていけない。もう最初から自分とは立っている位置が違っている感じで、何を読んでも引いてしまう。
 元パイロットだけあって、作者の書く作品はすべて「空を飛ぶ」というモチーフが土台になっているらしい。ここまで空にこだわるというのは、パイロット時代に何か奇跡を見たということだろうか。いずれにしろ、高いところが苦手な自分には関係ない話だ。



JONATHAN LIVINGSTON SEAGULL  05/01/08 更新

 読み易さ 
 面白さ    そこそこお勧め

説明不要の「カモメのジョナサン」。

 なるほど、いいお話じゃないの。食べることよりも、より高くより速く飛ぶことに人生の価値を見出すジョナサン。この気持ちには共感できる。人生の意味については誰もが漠然と考えていることだろうが、こういう寓話の形で読むと、「そうそう、そうなんだよ」と思わず膝を打ちたくなる。
 しかし、途中の「瞬間移動」の修行のくだりはいかがなものか。ちょっと「あちらの世界」って感じで、一歩間違うと精神世界の領域に踏み込んでしまいそうな危うさがある。かのオウム○理教の故村井君の愛読書だったというのもわかる気がする。この部分さえなかったら面白さの評価は  だったのに、ちょっと残念。



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