MITCH ALBOM 




 スポーツライターとしての経歴を持つアメリカの作家。
 1958年にニュージャージー州に生まれた作者は、少年時代をフィラデルフィアで過ごす。ブランダイス大学でジャーナリズムを学んだ後、コロンビア大学に入学してMBAを取得する。卒業後はスポーツライタとして活躍し、全米ナンバーワンのスポーツライターとまで呼ばれるようになる。1989年にスポーツをテーマとしたノンフィクション作品を発表し、1997年に発表した "Tuesdays with Morrie" で一気にベストセラー作家となる。最近はフィクション作品も発表し、作家としての幅を広げている。
 作者の書く文章は平易で読みやすいので、ペーパーバック初心者にもお勧め。とりあえず話のタネとして "Tuesdays with Morrie" あたりから読んでみては(個人的には、世間の評判ほど素晴らしい作品だとは思わないけど)。




THE FIVE PEOPLE YOU MEET IN HEAVEN   08/03/01 更新

 読み易さ 
 面白さ   

遊園地の遊具のメンテナンス係として働くエディーは、83歳の誕生日に園内の事故により亡くなってしまう。天国に昇ったエディーは、そこで5人の人物と出会い、自分の知らなかった生前の出来事について聞かされる。自分の人生をつまらないものだと感じていたエディーは、5人との対話を通じて人生の意味に気付く。

 なるほど、このミッチ・アルボムという人は、いわゆる「いいお話」を書くのが得意な人らしい。これまでに読んだ作品もこの作品も、すべて「いいお話」というキーワードで括ることができる。
 しかし、この人の書くいいお話はどうも苦手だ。なぜか素直に感動できない。底が浅いというか、わざとらしいというか、あざといというか、とにかく読んでいて居心地の悪さみたいなものを感じてしかたがない。この作品にしても、人間は必ず他人とどこかでつながっている、というのがテーマになっているが、そんな陳腐なテーマをお涙ちょうだいのクサい演出で書かれてもしらけるだけだ。
 などと悪口ばかりになってしまったが、アメリカでベストセラーになったということは、それなりに面白い部分や感動できる部分があるということだろう、とだけフォローしておこう。



FOR ONE MORE DAY   08/02/26 更新

 読み易さ 
 面白さ   

かつてはメジャーリーガーとしてワールドシリーズの大舞台も経験したチャーリーだが、引退後はさえないセールスマンとして働いていた。好まない仕事に打ち込めないチャーリーはアルコールに溺れ、それが原因で妻と離婚し、一人娘のマリアにも愛想をつかされてしまう。マリアの結婚式にさえ呼ばれなかったことに絶望したチャーリーは、自殺を決意して故郷の実家を訪れ、幼い頃に遊んだ塔から飛び降りる。目を覚ましたチャーリーの前に現れたのは、8年前に亡くなった母親だった。

 なるほど、いいお話だと思う。いいお話だとは思うけど、どうにも底が浅いような気がしてしかたない。いいお話を書いてやろう、読者を感動させてやろう、という作者の意図が透けて見える感じで、読んでいてどうにも物語に入り込むことができない。ストーリーの構成にしても、ちょっと計算しすぎという部分があって、これもやっぱり白けてしまう。要するに、読めば読むほど作者の意図するところとは離れていってしまうということ。これは完全に個人的な好みの問題だろうが、自分にとってはどうしても薄っぺらで底の浅い作品に感じられた。
 などと悪口ばかりになってしまったが、アメリカでベストセラーになったということは、それなりに面白い部分や感動できる部分があるということだろう、とだけフォローしておこう。



TUESDAYS WITH MORRIE  05/11/26 更新

 読み易さ 
 面白さ   

スポーツ・ライターのミッチは、ある日テレビのニュース番組で大学時代の恩師であるモリー教授が難病に侵されていることを知る。驚いたミッチはモリー教授を訪ね、それから毎週火曜日に二人だけの授業が始まる。死を目前にしながらも、愛とはなにか、家族とはなにか、死とはなにか、人生の真理をミッチに語っていくモリー教授。全米のみならず、世界中の感動を呼んだノンフィクション。

 これはノンフィクションというよりは、崇高な哲学書というべきかもしれない。老いることやその先にある死というものを、肯定的かつ必然として捉えることの大切さがわかったような気がする。わかったような気がするんだけど、読んでいるうちに眠くなってしまったので、実はあまりわかっていないのかもしれない。ごめんなさい、モリー教授。
 しかし、死を目前にしてもこれだけ心穏やかにいられるモリー教授はすごい。こういう愛に満ちた人も世の中にはいるってことだ。日々の仕事や人間関係に疲れている人にお勧め。文章もやさしいので、癒されること間違いなし。


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