清く正しいダイエット 




最近は食生活の欧米化ということもあってか、日本人にも肥満の人の占める割合が増えてきているようです。それに伴って、「ダイエット」という言葉もすっかり浸透しました。おそらく大半の人が一度はダイエットに挑戦した経験があるのではないでしょうか。それにしても、一口にダイエットと言っても様々な方法がありますよね。雑誌の広告で宣伝されている怪しげな薬、落ち目のタレントが書いた「○○方法ダイエット」なる本、テレビの通販番組で紹介されている安っぽい健康器具など、挙げればきりがありません。しかし、こういった商品の派手な謳い文句に騙されてはいけません。お金をかけずに、かつ効果的にダイエット出来る方法は必ずあります。ということで、今回は自分なりの「清く正しいダイエット」なる方法を紹介します。今回はちょっと真剣に書きますので、ダイエットに何度も挑んではいるがその度に失敗している、という方は是非参考にして下さい。いや、それほどのものではありませんが。
(「ダイエット」とは本来は「食餌療法」という意味ですが、ここでは広く「減量方法」という概念で使っています)

自分は身長170cm、体重55kg、体脂肪率11.5% (01/03/10 現在の数字です) という、ダイエットとは無縁の体型を誇っています(ちょっと自慢)。しかし、斯く言う自分も過去に2回ほどダイエットの経験があります。

1回目は高校2年の秋でした。当時柔道部員だった自分は目前に地区大会を控え、最軽量のクラスで優勝すべく61kg あった体重を約2週間で 55kg にまで絞りました。昼飯を抜いて放課後は柔道着を2枚重ね着し、その下にさらにジャージを着こんで練習するという、かなり過激な方法で体重を落としました。ダイエットというよりは過酷な減量という感じです。これは危険な方法なので、良い子の皆は真似しちゃ駄目だぞ。ちなみに試合の方は予定通り優勝し、県大会でベスト8に入賞しました。

20歳の頃の体重がその人のベスト体重である、ということを耳にすることがありますが、これに当てはめた場合、自分のベスト体重は58.5kg です。学生時代からこの体重はずっと変わらなかったのですが、社会人になって2・3年目の頃に1年間で 6kg 太ったことがありました。この頃は周りから「太ったな」と良く言われたのですが、自分はあまり太ったという自覚は無かったため、一時的なものだろう、放っておいてもすぐに元に戻るさ、なんて思い何もしなかったのですが、1年後に健康診断で体重を計って見ると、見事に 5kg 減っていました。

それからは、59kg 〜 60kg の辺りでほぼ落ち着いたかに見えました。しかし、学生時代に比べて明らかに運動量は落ちているのに、食欲は相変わらずですから、自分でも気付かないうちに少しずつ脂肪を蓄え込んでいたようで、27歳の頃には 62kg になっていました。さすがにこの時は太ったという自覚症状がありました。鏡に写る自分の姿はお腹がポッコリと出ていましたし、その証拠にベルトの穴も2つほど左に移動していました。何よりも「太ったなあ」と感じるのは、鏡に写る自分の丸い顔を目にする時です。これはマズイ、と感じた自分はベスト体重の 58.5kg に戻すべく、本格的にダイエットに取り組むことにしました。

まず最初にしたことは「食事の量を減らす」ということです。それまでは、朝食は摂ったり摂らなかったり、朝食を摂らなかった時はその分夕食をドカ食いしたりと、かなり不規則な食事パターンだったのですが、これをキッチリ1日3食と決め、かつその量もそれまでの半分くらいに減らしました。これは劇的な効果がありました。最初の1週間で早くも 2kg の減量に成功したのです。「この調子なら、あと2週間もしないうちに目標クリアじゃん」なんて喜んだのですが、それから一向に体重が減る気配がありません。食事制限は続けているのに、体重計の針はピクリとも動かないのです。どうしたものかと思案していた自分の目に飛び込んできたのが、「Tarzan」という雑誌の「春までに5kg 減らして腹を引き締める」という特集記事でした。記事によると、食事制限と並行して有酸素運動をすることが大事だということでした。

有酸素運動がどういうものかについては、今更説明の必要は無いでしょう。ジョギング、ウオーキング、水泳、バイクなど色々とありますが、自分が選んだのはウオーキングでした。ジョギングはジャージやシューズを用意しないといけないし、水泳はスポーツクラブに入会する必要があるし、バイクは街中を走ると信号待ちで頻繁に中断されるし、ということで、一番手軽に出来るウオーキングを選んだわけです。
ただ、ウオーキングと言っても本格的に取り組むとなると、やはりそれなりにちゃんとしたシューズやウエアを用意し、正しいフォームで行う必要があります。自分は多くのウオーカーに混じって正しいウオーキングを実践することが非常に恥ずかしかったので、普段着のままいつもの歩き方で多少意識して速足で歩く、というスタイルでウオーキングに取り組みました。そうです、ウオーキングと言うより、「散歩」です。

こうして始めた散歩ですが、最初は万歩計を腰につけてひたすら距離を歩くことを目標にしていたのですが、続けていくうちに散歩そのものが楽しくなって来ました。天気の良い日に周囲の景色を眺めながら歩くというのは、実は非常に楽しいことなんだとこの時初めて知りました。当然色々なことを考えながら歩くわけですが、日頃から悩んでいたことの解決のヒントが見つかったり、新しいアイデアが浮かんできたりと、思わぬオマケがついてくることもあります。
自分はこの散歩の魅力にすっかり取りつかれ、今では1番の趣味になっています。1番が散歩で2番が英語、3番目が読書と言った感じです。うーん、それにしても金のかからない趣味ばっかりだな(笑)。

体重計の針は期待通りには動いてくれないものの、少しづつ効果は現れてきました。鏡に映る体は、ダイエット前とは明らかに変化しているのがわかるのです。こうなると、体を自分の思い通りにデザインしたいという欲求が湧いてきます。誰でも自分の理想の体型というものを持っていると思いますが、自分の場合「レスラー並の体」が理想です。しかし、もともと骨格が華奢に出来ている自分にはレスラーのような筋肉をつけるのは当然無理なので、「ボクサー並の体」を目標にすることにしました。
それまでの食事制限と散歩に加え、筋トレを始めました。近所の公園にあるシットアップベンチと鉄棒を利用して、プッシュアップ(腕立て伏せ)・シットアップ(腹筋)・懸垂を1セットにして、週に2〜3回、2セットのメニューをこなすようにしました。最初はシットアップなど50回くらいしか出来ず、朝起きると全身筋肉痛という情けない状態でしたが、1月も続けていくうちにすっかり慣れ、回数もどんどんと増えていきました。それにつれて鏡に映る自分の体もどんどんと変わっていきました。全盛期にはシットアップは500回を2セットこなすまでになっていました。
この頃の自分の体は「デビュー戦を1週間後に控えたバンタム級の4回戦ボーイ」くらいになっていました。

こうしてダイエットを始めてから約半年で体重は54kgにまで減りました。
目標体重である58.5kgはとうにクリアしていたのですが、途中から体重計の針が減って行くのを見るのが楽しくなり、もっと減らそう、もっと減るはず、といつの間にか当初の目的を見失ってしまいました。筋トレの方も回数が増えてくるとその回数にこだわるようになり、とにかく回数をこなすのが目標になっていました。
途中で風邪を引いてしまい筋トレを中断したのですが、それがきっかけで「何か今の状態は違うなあ」と思うようになりました。体重を減らすこと、筋トレの回数を増やすこと自体がいつの間にか最大の目標になってしまっていることに気付いたのです。これはちょっと危険な状態です。拒食症に陥るのも、もしかしたら同じ様なステップを辿るのかも知れません。

それからは、食事の量も徐々に増やすようにし、筋トレも週に1回それまでの筋肉を維持していくだけの量に減らしました。とは言え、最初はやはり食事の量を増やすのは抵抗がありました。それまではトマトジュースとおにぎり1個、というのが典型的なランチのメニューでしたが、このおにぎりを2個に増やす時には、「このおにぎりを食べたら、これまでの苦労が水の泡になってしまうんじゃないか」という、罪悪感あるいは恐怖感みたいなものを感じました。もちろん、たかがおにぎり1個でいきなり元に戻ってしまうわけも無いのですが、それまでの半年間1度も外食をしなかったほどストイックな食生活を送っていたので、こう感じてしまうのも無理はありません。

しかし、自分は晩酌を欠かさない人間で、ダイエット中も毎晩缶ビール(500ml)を 4本飲んでいました。ということは、毎晩 2kg 分ビールを飲んでいた計算になります。良く「ビール腹」という言葉を聞きます。確かにビールはカロリーも高いですし( 500ml でおよそ 200kcal です)、ダイエットの大敵のように言われますが、そうそう神経質になる必要は無いと自分は思います。むしろつまみの方に気をつけるべきだと思います。ビールには食欲増進の効果がありますから、ついビールに合う脂っこいつまみを食べ過ぎてしまう、と言うのがビール腹の真犯人ではないかと自分はにらんでいます。
ダイエットはしたいが、アルコールを断つことを考えるとどうにも実行に移せない、というお酒大好きの貴方、大丈夫です。お酒を止める必要はありません。お酒を飲みながらでもダイエットをすることは充分に可能です。

現在の自分は、以前の様な食欲は無くなったものの、飲んだ帰りは必ずラーメンで締めますし、調子が良ければ半ライスをつけることさえあります。吉野家で納豆定食を注文する時も2回に1回は「ご飯大盛で」と言うくらいの食欲はあります。それでも体重を維持出来ているのは、日々の散歩と独身生活の侘しい食生活のおかげだと思っています。やっぱり結婚すると男子って必ずと言っていいほど太りますから。俗に言う「幸せ太り」ってやつでしょうか。自分はそんな幸せならいらないな、なんて強がってみたりして(泣)。
筋トレの方は今は全くしていません。この前散歩の途中でシットアップベンチを見つけたので、久し振りにシットアップをしてみたのですが、わずか70回でギブアップしてしまいました。全盛期の7分の1以下です。何とも情けない。こちらの方はまた近い将来、負担にならないくらいの範囲で再開しようかなと思っています。


以上が自分のダイエット経験です。結局は「食事量を減らして運動量を増やす」ことがダイエットの基本です。今更そんなこと、と言いたくなるほど当り前のことですが、当り前のことを当り前に実行することほど難しいことは有りません。
今回は何のオチもなくて申し訳有りません。この駄文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。




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